業務の自動化
意味の判断を、処理の分岐に。
Jevは、TypeSafeのAIモデル。文章や文脈についての質問に、分類・点数・確率で答えます。その結果を使って、ソフトウェアが情報を選び、確かめ、次の処理へ進みます。
5つの活用領域/19の具体例
概要の出典:TypeSafe Introduction ↗
返ってきた値をもとに、コードが処理を進める。
01 / About
公式ドキュメントで確認できた範囲で、Jevの正体とLLMとの違いを整理します(2026年9月28日確認)。
JevはTypeSafe AIが提供するAIモデルです。同社はJevを「System Oneモデル」の最初の1つと位置づけています。
LLMと同じように自然な文章を読み取りますが、返すのは型の決まった答えと確率だけです。返信の文章や説明文、コードは書きません。
名前は行動経済学の本『ファスト&スロー』で広まった「速く直感的な思考(システム1)」に由来します。数秒で下せる判断をJevが受け持ち、迷うものは人や推論型のモデルへ回す、という分担です。
公式は大きな判断を小さな質問に分け、答えをコードで組み合わせるよう勧めています。優先度が変わったときは、文章の指示を書き直さず、コードの係数を変えればよい、という考え方です。
Jevは答えに付く確率が実際の当たり外れに合うよう訓練されています。これを較正と呼び、「90%」と答えたものを集めると約9割が当たる状態を目指します。
ただし公式も、較正は多数の予測で見た性質で、1件ごとの答えが正しいとは限らないと書いています。確かさを0〜1で表すconfidenceが付くのは、選択(Choice)と採点(Score)の答えだけです。
| 観点 | Jev | LLM(一般的なもの) |
|---|---|---|
| 返すもの | 選択肢・点数・確率 | 文章・コード |
| 1回の呼び出し | 複数の質問を、同じ材料に対して並行で判定 | 1つの応答文を順に書く |
| 答えの確かさ | 確率とconfidenceが数値で返る | 文章からは読み取りにくい |
| 入力 | テキストのみ | 画像や音声を扱えるものもある |
| 自社データでの追加学習 | できない(全員が同じモデル) | モデルによってはできる |
内部の構造(アーキテクチャ)は公開されていません。公式が明かしているのは、RLCDという方法で較正された判定を返すよう訓練したことまでです。Jevの読み方についての公式表記は、当社が確認した範囲では見つかりませんでした。
Jev そのものの説明(読み方と名前の由来・仕組み・料金・始め方)は、入門記事「Jevとは?判定専用モデルの仕組み・料金・始め方」にまとめています。
出典:公式 System One ↗ 公式 Confidence ↗ 公式 Models ↗ 公式 Introduction ↗
意味の判断を、処理の分岐に。
ゲームやUIの、その場の判断に。
膨大な文章の、選別や特徴抽出に。
回答や引用、ツール操作の確認に。当社の実測は本記事末尾「当社の実測」を参照。
モデル選択や文脈取得の判断に。
公式の大分類を意訳。「AIの実行基盤」は、原文のHarness Engineeringに対応。出典 ↗
03 / Use case finder
公式の19例を、探しやすい4分野に整理しました。
19 / 19 件を表示
文脈に合う情報を探し、関連度で並べる。当社の実測は本記事末尾「当社の実測」を参照。
論文の選別や、引用の裏付けを確認する。
依頼の難しさに応じて、使うLLMを選ぶ。
AIの入出力やツール操作を点検する。
コードや文章がチームの基準に沿うか調べる。公式の補足:Jevはコードを書くモデルではなく、コードが決めたルールに合うかの判定に使います。Jevを組み込むコードをコーディングAIに書かせるための公式スキルもあります。公式 ↗
文章の意味を、予測に使える数値に変える。公式の実装例:ワインの批評2,000件に38の質問をして数値に変え、評点を予測しました。誤差(RMSE)は1.77で、単語の数で読んだ場合の2.47より小さくなりました。公式 ↗
職務に関係する基準で、候補者との適合を調べる。
顧客像との適合や購買意向で優先度を付ける。
問い合わせの意図や緊急度で担当を振り分ける。
請求の複雑さや不足情報を見て、確認先を決める。
不審な取引の兆候を拾い、調査の優先度を付ける。
契約や表現を、明示した要件と照合する。
商品情報を整え、不適切な出品の兆候を探す。
独自の基準で、投稿の許可・確認・制限を分ける。
広告表現の適切さや、遷移先との整合を調べる。
チャットの問題や、プレイヤーの不満を捉える。
報告書などからリスクの種類や重大さを読み取る。
問い合わせなどの購買意向を、需要予測に加える。
情報同士の関係を分類し、矛盾を見つける。
条件に合うユースケースがありません。
分野分けは本ガイド独自の整理です。原文は活用アイデアの一覧で、導入実績の一覧ではありません。
19例の原文 ↗04 / In practice
以下は理解のために作成した模式例です。実際の推論結果ではありません。
顧客からの問い合わせ
Choiceで、用意した選択肢から選ぶ。
分類結果に対応する処理へ振り分ける。
Jevが判断の材料を返し、アプリ側のルールが行動を決めます。
関連する公式の設計パターン ↗05 / Building blocks
基準をはっきり書き、ひとつずつ聞く。
複数の判断は、コードで組み合わせます。
決めておいた選択肢から、該当するものを選ぶ。
順序のある評価基準に沿って、程度を採点する。
ある条件が成り立つ確率を、0〜1で返す。
質問型の説明:公式Introduction ↗ 例文は本ガイドで作成。
不確かな判断は、確認の処理へ。 ChoiceとScoreのconfidenceは、回答の確かさを表す指標です。自動処理する範囲や、人に確認を戻す条件を、用途に応じてコードで決めます。 詳しく ↗
06 / Input
Jevに渡すのは、判定する材料(state)と質問の2つです。
stateはテキストだけを受け付けます。使える形は文字列・JSONのオブジェクト・テキストの配列の3つです。画像・音声・動画は受け付けないので、先に文章や項目に直してから渡します。
| 形式 | 向く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 文字列 | 1通のメッセージや記事 | 「カードが2回請求されました」 |
| オブジェクト | 名前付きの項目や、関連する記録 | {"message": "…", "order_id": "A-104"} |
| 配列 | メッセージや記録の並び | ["こんにちは", "…"] |
公式は各部分に名前を付けられるオブジェクト形式を基本として勧めています。比べて判断したい情報(問い合わせ文と規定など)は、1つのstateにまとめて入れます。
質問は選択(Choice)・採点(Score)・当てはまるか(Noul)の3型です。1回の呼び出しに、型の違う質問を複数入れられます。
質問はそれぞれ独立して、同じstateに対して並行で判定されます。公式は質問を増やしても応答時間はほとんど変わらないと書いています。
1回の呼び出しはstateと全部の質問を合わせて64Kトークンまでです。stateと一番長い質問の組み合わせは、32Kトークンまでです。公式はstateが長くなるほど精度が変わる点にも注意を促しています。
出典:公式 State ↗ 公式 Models ↗(2026年9月28日確認)
07 / Pricing
料金は公式の表示、費用の目安は当社の実測と見積りをもとにした計算です。
公式の料金は、入力100万トークンあたり0.042ドルです。出力は無料で、費用は入力のトークン数だけで決まります。対象は現行版 jev-1.13.0 です(2026年9月28日確認)。
無料で使える枠(クレジット)の有無は、当社が確認した公式ドキュメントには載っていませんでした。
1回に渡すトークン数ごとに、公式の料金で計算しました。出力は無料なので、入力だけで計算しています。
| 使い方 | 1回の入力 | 月1万回 | 月10万回 |
|---|---|---|---|
| 短い文に「はい/いいえ」を1問(当社実測) | 約310トークン | 約0.13ドル | 約1.3ドル |
| 検索候補20件の並べ替え(当社見積り) | 約4,800トークン | 約2ドル | 約20ドル |
| 資料1件の読み取り検証(当社実測) | 約14,000トークン | 約5.9ドル | 約59ドル |
経由するサービスによって、料金や上限の扱いが変わることがあります。Vercel AI Gateway経由で使う場合は、同社の表示も確認してください。
TYPESAFE_API_KEY に入れます。pip install typesafe-sdk(3.10以上)です。JavaScriptは npm install @typesafe-ai/sdk です。SDKを使わず、HTTPで POST /v1/systemone を呼ぶこともできます。typesafe-ai/jev を指定します。当社はこの方法で呼んでおり、TypeSafe AIのコンソールは使っていません。当社は判定したい文章と質問を渡すだけの小さな呼び出し用スクリプトを使っています。質問は「はい/いいえ」「選択」「採点」の3形式で、複数をまとめて1回で聞けます。
返ってくるのは、答えと確率、使ったトークン数、かかった時間です。1回あたりの応答は約0.4秒です。経由サービス側でデータを保存しない設定も付けています。
モデル名には、版を固定した jev-1.13.0 と、最新の正式版を指す jev-latest があります。jev-latest は新しい版が出ると向き先が変わり、こちらが何もしなくても答えが変わることがあります。
公式は閾値を調整したら版を固定し、移行は自分の都合で進めるよう勧めています。応答には答えた版が入るので、結果と一緒に記録しておくと後で比べられます。
08 / How to choose
当社は1つの判断を安い手段から順に回し、決まらない分だけ上の手段へ送っています。
| 手段 | 向く判断 | 速さ | 費用 | 当社での担当 |
|---|---|---|---|---|
| ルール(プログラム) | 計算や一致確認で答えが決まる判断 | 一瞬 | ほぼ0 | 値と引用元の文が資料にあるかの確認、型番・年式の一致確認、料金の計算 |
| 専用の分類モデル | 同じ種類の判定を大量に。学習用の正解データがある場合 | 速い | 学習と運用の手間がかかる | 使っていない |
| Jev | 選択肢を書き出せる、意味の判断。学習データは不要 | 約0.4〜0.5秒(当社実測) | 1回 約0.00001〜0.0006ドル(当社) | 資料全文に照らした値の確認、検索候補の並べ替え |
| 小型のLLM | 文章にする、値を抜き出す | 数秒(当社の試作で2〜3秒) | 1資料 約0.05ドル(当社) | 資料からの値の抜き出し、写真の文章化 |
| 上位のLLM | 画像を見る、込み入った判断 | 当社は未計測 | 落ちた値だけで18資料 約13ドル(当社) | Jevで決まらなかった値の画像判定 |
当社の3段判定(機械確認 → Jev → 上位モデル)では、18資料・817値で採用した値の誤りは0件でした。試行ではJevを間に置いたことで上位モデルに見せる値を絞れました。
迷ったときは「答えを選択肢で書き出せるか」で決めます。書き出せればJev、文章が要るならLLM、計算で出せるならルールです。
09 / Public cases
2026年9月に公開された事例から、使い方が読み取れるものを選びました。数字は出典に書かれた値で、当社が確かめたものではありません。
開発元TypeSafe AIのCEOが2026年9月15日に発表した判定モデルです。文章は書かず、選択肢ごとの確率を返します。4つの業務フローの平均精度は67.8%で、GPT-5.6 Sol(74.1%)には届きませんが、LLMより20〜200倍速く、40〜400倍安いとしています。料金は入力100万トークンで0.042ドル、出力は無料です。売りは精度より速さと費用です。
当社の確認状況:同じモデルの速さと費用を当社で実測済み(下の「当社の実測」(a)(b))
ビールの2つのカタログから作った450組の候補ペアを、同じ商品かで判定する例です。2商品の名前・醸造所・スタイル・度数を渡し、関係の近さを0〜2の点数で、名前などの一致を個別に聞きます。0.5と1.5を境に分けた結果は、統合40組、人手確認50組、別物360組でした。精度の数値は載っていません。境目に近い組を人手に回す分け方は、名簿の重複チェックにも使えます。
当社の確認状況:当社未検証
30分の勉強会にエンジニア50人以上が集まり、Jevの紹介とデモの後、20分で使い道を出し合った報告です。サービスに組み込む案は50件を超え、「この書類は契約書か」「この申請は自動承認してよいか」といった判定が例に挙がっています。確信度が高い判定はほぼ正解で、低い判定は実際に間違っていたとして、高ければ自動処理、低ければ人か重いモデルへ回す設計を勧めています。正答率などの数値は示されていません。
当社の確認状況:当社未検証
海外を中心とした試作や関連動画30本を、ブラウザ操作、業務の道具、ゲーム、売買ボットまで整理した記事です。PRを14項目の確率判定で点検する例は1件約0.00007ドル、配信コメントを質問・感想・要望に分ける例などが並びます。数字は投稿者の報告値で、記事は完成した製品の紹介ではないと断っています。自分の仕事で試すなら、文章を決まった区分に分ける作業から始め、人の判定と比べるよう勧めています。
当社の確認状況:当社未検証
架空の雑貨店に届いたサポートメール100件(AIで作った文面)を、問い合わせ・クレーム・お礼・その他に分け、急ぎかどうかなども判定するデモです。100件を1件ずつ順に処理し、27.6秒(1件平均221ミリ秒)で終えました。同じ20件では、他の3モデルの26.6〜45.7秒に対し、Jevは6.7秒でした。Jevとの一致は20件中18〜20件ですが、正解と比べた結果はなく、自作デモの数字です。
当社の確認状況:当社未検証
料金プランのページで、カーソルの往復や滞在時間から閲覧者の迷いや関心を推定し、接客を変える試作です。「BusinessとProのユーザー数を行き来」といった動きの要約をJevに渡し、「違いを整理」「サポートを案内」などの対応を選びます。画面には迷いの推定16%などの値と応答581ミリ秒が出ますが、当たり外れの数値はありません。投稿者は説明を補う・比較を勧める・見守るの使い分けを示しています。
当社の確認状況:当社未検証
複数のコーディングAIを動かす管制ツールで、各AIの報告ごとに「介入が要るか」をJevに聞き、要るものだけ上位モデルへ回した記録です。6件の確認で、トークンは33万から14万、処理時間は148秒から71秒に減りました。ただし上位モデルが6件をまとめて読むだけで半分に減っており、Jevを足した差は16%です。Jevが迷った報告も上位へ回し、承認や権限の変更は任せていません。計測はどれも1回だけです。
当社の確認状況:当社未検証
自社サイトの586ページそれぞれについて、15の目的ページへリンクを張るべきかを判定させたデモです。話題の関連と、リンク文にできる語句があるかを聞き、8,790組を45.1秒・約0.21ドルで処理したと表示されています。同じ時間でClaude Opus 5は21ページまでで、1.43ドルでした。画面には「simulated run」とあり、判定の正しさは検証されていません。
当社の確認状況:当社未検証
あるエンジニアが、Jevが効く問題と効かない問題を実験で分けた資料です。合法手のように選択肢をその場で並べられる判定では、対戦ゲーム489回とチェス37手で反則が0でした。順序のある判定は、選択式から点数式に変えると正解が19/24から23/24に増えています。1行の規則で済む監視の振り分けでは、規則の誤り0に対しJevは誤りが6〜27件でした。計算で出せる答えはコードに任せる、とまとめています。
当社の確認状況:同じ型を当社で実装済み(下の「当社の実測」(c))
Go言語の機能提案を週ごとにまとめたサイトの検索に、Jevを組み込んだ個人の記事です。ベクトル検索で候補を20件に絞り、記事ごとに質問との関連を0〜1でJevに聞いて、0.2以上を高い順に返します。費用は1検索あたり約0.0002ドルです。速さは連続して呼ぶと数百ミリ秒、間隔が空くと1秒を超えるそうです。精度は数値で測っておらず、Google検索との結果の違いを例で示しています。
当社の確認状況:同じ型を当社で実装済み(下の「当社の実測」(b))
外部データから集めた320人を、条件に合うかどうかで1人ずつJevに判定させ、96人に絞るデモです。画面では判定にかかった時間が37.2秒、費用が0.0113ドルと表示され、残った人には0〜100の見込み点数も付けています。電話番号などのデータ取得は別の道具の担当で、番号探しまで含めた96人分の費用は1.49ドルとしています。判定が正しかったかを示す数値は、動画にはありません。
当社の確認状況:当社未検証
10 / Our results
当社が自社の仕組みでJevを使った結果です。数字は当社の条件での実測で、条件が変われば結果も変わります。
製品仕様の公開資料から、小型モデル(Claude Haiku 4.5)で数値を抜き出しました。抜き出した値は、下の3段を通ったものだけ採用します。通らない値は空欄のまま残します。
| 段階 | 担当 | 結果 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 抜き出し | 小型モデル | 18資料から817値 | 1資料 約0.05ドル |
| 1段目:機械確認 | プログラム(値と引用元の文が資料にあるか) | 抜き出しの誤り9個のうち4個を止めました | ほぼ0 |
| 2段目:文脈の判定 | Jev(資料全文に書かれているか・閾値0.95) | 文字の違いは99.9%見抜けました。表の区切りの読み違いは見逃しました | 1資料 約0.0006ドル |
| 3段目:画像の判定 | 上位モデル(ページの画像を見せる) | 誤り9個をすべて止め、落ちた正しい値の96%を救いました | 落ちた値だけ。18資料で約13ドル |
3段を通した結果、採用した値の誤りは0件でした。正しい値の99%を採用し、残り1%は空欄です。
公式の分類では、活用領域「AIの結果を検証」に当たります。
自社で運営する分析ツールで、名前の入力候補を並べ替える処理にJevを使っています。先に手元の一覧で文字の一致を調べて候補を出し、Jevの結果が届いたら並べ替えます。本番で稼働中で、Jevの応答は約0.5秒です。
公式の分類では、ユースケース「検索・情報取得」に当たります。
写真を画像対応の小型モデルで文章にし、Jevが決まった質問で判定する構成です。金額は判定をもとにプログラムが料金表で計算し、AIには直接出させません。3段がつながって動くことを確かめ、文章にする工程の分だけ2〜3秒遅れることも分かりました。
公式の分類では、活用領域「リアルタイム処理」に当たります。
社内の経費処理では、明細を1行ずつ店の区分に照らして判定する案を準備しています。まだ動かしていません。
診断型のLPでは、回答に合わせて、用意した文章や部品からJevが選ぶ案があります。Jevは文章を作れないので、表示するのは定型文か、別のモデルが作った文です。
公式の分類では、経費の案はユースケース「法務・コンプライアンス」、LPの案は「見込み客の発見」に近い形です。
11 / Japanese
当社の実測、第三者の検証、公式の見解を分けて載せます。
日本語の資料から読み取った値の検証では、文字の違いを99.9%見抜きました。一方で、表の区切りの読み違いは見逃し、閾値0.95を超えて通った誤りもありました。
当社で誤りが出たのは、言葉の意味よりも表の構造を読み取る場面でした。
IVRyのテックブログが、日本語の評価セットでJevを検証しています(2026年9月25日公開)。Jevは文章を書けないため、選択式の問題に絞っています。日本語は19セット・延べ77,781件、英語版を含めると24セット・延べ104,758件です。
比較相手は日本語LLMのランキング上位2モデルです。試験問題では2モデルより10ポイント以上高く、文の関係の判定(自然言語推論)ではやや低い結果でした。
| カテゴリ | Jev 1.13 | gpt-oss-120b | llm-jp-4-32b-a3b-thinking |
|---|---|---|---|
| 自然言語推論(5セット) | 0.8268 | 0.8456 | 0.8431 |
| 質問応答(2セット) | 0.5279 | 0.4961 | 0.5444 |
| 常識推論(3セット) | 0.8862 | 0.8908 | 0.8877 |
| 日本語の試験問題(6セット) | 0.7720 | 0.6189 | 0.4817 |
比較モデルの値はランキングの公開値で、例を見せる数などの条件がそろっていません。記事自身も、試験問題だけが高い理由は分からないとしています。検証の費用は約2.7ドル(入力 約6,300万トークン)でした。
当社の確認状況:当社未検証
公式は英語が主な学習言語で、精度も英語が最も高いと書いています。日本語などの他の言語も扱えますが、同じ水準ではありません。日本語で使う前に自分のデータで試し、振り分けではconfidenceをよく見るよう勧めています。
12 / Speed
当社の実測と、公式の上限・宣伝の数字を分けて載せます。
当社の運用では、1回の応答は約0.4〜0.5秒です。短い文に1問を聞いた試験では、続けて呼んだ2回目以降が0.42〜0.58秒でした。しばらく間が空いた最初の1回は、約1秒かかりました。
公式の上限は毎秒10万トークン、毎秒80リクエストです。超えると「429 Too Many Requests」が返り、公式SDKは間を置いて自動で再試行します。公式は需要が多いため上限は予告なく変わることがあると書いています。
応答時間の目安は、公式ブログには70〜500ミリ秒とあり、ドキュメントの仕様表には載っていません。
出典:公式 Models ↗(2026年10月4日確認)
公式サイトのトップには「193.6倍速く、444.6倍安い」とあります。注記は「System Oneに向く作業の流れでの比較」です。例として、Jevは0.114秒・0.000081ドル、LLMは8.566秒・0.013880ドルと示されています。
どのLLMとどの作業で比べたかは、トップページの文面からは確認できませんでした。当社はこの数字を検証していません。
出典:TypeSafe AI 公式サイト ↗(2026年9月28日確認)
13 / Cautions
当社が実際に使って分かったことです。公式の説明と合わせて読んでください。
14 / Research
論文は要旨(abstract)で確認できた範囲だけを要約しています。
2026年9月24日にarXivで公開された、研究者2名の論文です(arXiv:2609.29769)。採点基準に沿った審査で、JevがLLMの代わりになるかを調べています。7つのベンチマークから作った9つの採点パネルで、速さ重視の3つのLLMと比べました。
正解率がLLMと有意に違ったのは、27組の比較のうち8組です。はい/いいえの基準ではJevが上回ることが多く、段階評価の基準では下回りました。残りの多くは、差がはっきりしませんでした。
9パネルの合計で、LLMはJevより費用が16〜325倍、時間が28〜350倍かかりました。一方、Jevが自信を持って間違えた問題は、LLMもほぼ同じように間違えています。そのため「Jevで判定し、迷う分だけLLMへ回す」構成でも、正解率の上積みは最大2.7ポイントでした。値は2026年9月28日の改訂版(v2)のもので、初版では費用が29〜325倍、時間が30〜220倍、上積みが最大1.5ポイントでした。
当社でも、同じ文字情報を別のモデルに読ませて照らし合わせる方法では、誤りを1つも止められませんでした。そこで3段目は、ページの画像を見せる方式にしています。
出典:arXiv:2609.29769 ↗(2026年10月4日確認・v2の要旨のみ)
公式によると、JevはRLCDという方法で、較正された判定を返すよう訓練されています。顧客のデータで追加学習はしておらず、全員が同じモデルを使います。
公式は顧客のリクエストや応答をJevの学習に使わないと書いています。内部の構造(アーキテクチャ)やモデルの大きさは、当社が確認した範囲では公開されていません。
15 / FAQ
なりません。Jevは文章もコードも書かず、判定だけを返します。公式も、コーディング用AIの中身を置き換えるものではないと書いています。文章はLLM、判定はJevと分けて使います。
入力100万トークンあたり0.042ドルで、出力は無料です。公式コンソールのPlaygroundで、コードを書かずに試せます。無料で使える枠の有無は、公式ドキュメントでは確認できませんでした。
公式は英語の精度が最も高く、他の言語は同じ水準ではないとしています。当社の日本語資料では文字の違いを99.9%見抜いた一方、表の区切りの読み違いは見逃しました。自分のデータで試してから使ってください。
読めません。受け付けるのはテキストだけです。PDFは文字を取り出すか、画像を別のモデルで文章にしてから渡します。当社は写真の試作で、画像を読める小型モデルを前に置きました。
confidenceは確かさの目安で、1件ごとの正しさを約束するものではありません。当社は閾値を0.95にしましたが、0.96〜0.97で通った誤りもありました。下回った値は捨てずに上位モデルへ回し、表の多いPDFは全件を画像で確かめています。間違えたときの損が大きい操作ほど、閾値を高くします。
公式APIは、TypeSafe AIのコンソールで作ったキーで POST /v1/systemone を呼びます。Vercel AI Gateway経由は、同社のキーでモデル名 typesafe-ai/jev を指定して呼びます。当社は後者を使っています。料金や上限の扱いは、それぞれの表示で確認してください。
コードを書く用途には使えませんが、コードや文章が決めた基準に合うかの判定には使えます。公開事例には、PRを14項目で点検して1件約0.00007ドルという報告があります。計算で決まる検査は、従来のlintやテストに任せます。
あります。2026年9月にarXivで、採点基準に沿った審査でJevとLLMを比べた論文が公開されました。安く速い一方で、LLMと同じところで間違えるという結論です。
当社は検索サジェストの並べ替えを本番で動かしています。資料から読み取った値の検証にも使っています。公開事例の多くは試作やデモで、本番の数字が出ているものは限られます。
変わることがあります。jev-latest は新しい版が出ると向き先が変わるため、同じ質問でも答えが変わりえます。閾値を調整したら jev-1.13.0 のように版を固定し、移行の時期は自分で決めます。